Jhelisa-「Friendly Pressure(Into The Sunshine Mix)」

Single

 シェリ・エヴァンズことサンシップのカタログには、数々のUKガラージクラシックが立ち並ぶ。クレイグ・デイヴィッドスウィート・フィメール・アティチュードミス-ティーク、そして、今回紹介するジェリーサによる「Friendly Pressure」……そのどれもが、フロアにも耐えうるバンガーであるのと同時に、良質な歌モノでもある。それはダンス・ミュージックであるが、UKガラージのシグネチャー的ビートを借用した、良質なポップ・ミュージックにも聴こえる。クラブでかかるような機能性だけを求めた音楽ではなく、家で、イヤホンでも聴きたくなるようなダンス・ミュージックであり、つまりそれは、サンシップほど音楽的な感覚を持ち合わせたUKガラージのプロデューサーはなかなかいない、ということを意味している。

それもそのはず、若いころは<Factory Records>にぞっこんの、ジョイ・ディヴィジョンやア・サートゥン・レシオの好きな青年で、彼は鍵盤を嗜み、ジャズを出自とするプレイヤーなのだ。ブラン・ニュー・ヘヴィーの元メンバーであり、長い間ツアーをしながら奏者としての腕を磨いている。ミュージシャン歴が長く、UKガラージが流行した90年代後半にも、クラブからでてきた多くのプロデューサーたちと比べると、年齢もひと回り上だった。ほかのプロデューサーが現場を軸としてUKガラージのサウンドを作りあげていったのに対して、彼はスタジオにこもり、UKガラージのレコードを買い漁り、そこでサウンドを研究しながらレコーディングしていた。だから彼はDJやパーティアニマルというよりも、ミュージシャンと形容すべき人なのだ。

 サンシップは”MCやグライムの台頭によって、UKガラージのセクシーでファンキーな側面は影に覆われてしまった”と語っているが、この言葉の通り、まさにサンシップによる”Friendly Pressure”のリミックスは、UKガラージの影に覆われた、つまり忘れ去られそうになっている部分を詰め込んでいる。それは”セクシーとファンキー”、つまりシャンパン的な、フレンドリーでチャラい……グライムのヴァイオレントとは真逆にあるものだ。

グライムのパーティにはストーン・アイランドを着てドレスアップをするが、UKガラージのパーティではモスキーノを着用するようだ。うん、確かに「Frendly Pressure」は後者に似合う音楽だ。

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