Sia『Little Man(Exemen Remix)』

Single

 シーアことシーア・ファーラーはオーストラリア出身のシンガーソングライター。ご存知のとおり彼女はリアーナをはじめとしたスターに楽曲を提供するかたわら、自身もマディ・ジグラーと組んだパフォーマンスや「Chandelier」などの大ヒットによって良く知られることとなったポップスターでもあるのだが、とくに目をひくのはオーバーサイズのボブウィッグを着用した正体不明(らしき)装いだ。顔を隠すポップスターとは面白いコンセプトだが、これについては、まぁあまり関係ないので詳しくは書かないでおこう。

 なにはともあれ今回ご紹介するUKガラージの名曲をいったい誰が想像できただろうか。いまとなってはフジロックのグリーンステージに出演するようなポップスターが、UKガラージ・クラシックのヴォーカルを担っていたとは。スムースな原曲を見事に調理したのはエクセメンことウーキーとその実弟であるサイモン・チュウで、とくに兄のウーキーことジェイソン・チュウはUKガラージ黄金期を支えたプロデューサだ。『Battle』などの名作を輩出し、その素晴らしい楽曲はマット・ジャム・ラモントのようなヴェテランのミックスCDからピアソン・サウンドといった前線で活躍するプロデューサーのDJまで、数々のセットリストに顔を覗かせている。

アルバム『Battle』はやはり名作でありUKガラージというジャンルが到達したひとつのハイライトでもあるので、ウーキーといえばやはりオリジナル曲の「Battle」だろう。しかし同時に彼はリミックスの名手じゃないかとも感じている。R&BテイストでスムースなヴォーカルをUKガラージへと落とし込むのが非常にうまい。そういうわけで彼のマスターピースはガブリエルによる「Sunshine」のリミックスかもしれないし、はたまたディスクロージャーによる「Voices」のリミックスも悪くない。このほかにも彼は数々のミュージシャンのリミックスを手がけてきたし、そもそも彼のシグネチャー・サウンドは非公式の、つまり海賊版のリミックスを好き勝手に作っていたところから始まったものだ。<Discogs>にだってデータがないものもあり、その多くは正式な流通にも乗っていない。そういうわけでウーキーのリミックスワークを遠くの日本からすベて聴くのは難しい、だけれど2000年にリリースしたこの「Little Man」のリミックス、これを聴いただけでも彼の仕事の素晴らしさがわかるだろう、まさにみんな大好きな曲。地下でたくさん聴かれたのだろうな。

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